−いつ(か)1(itu2-1)−
・一攫千金(いっかくせんきん) 千金は巨額の金銭のこと。一掴みで千金を掴み取るという意味から、一度に巨額の金銭を得ること。 類:●濡れ手で粟
・一家言(いっかげん) その人独自の意見や主張。また、一角(ひとかど)の見識のある意見、論説。
・一家相伝(いっかそうでん) 一つの家に代々伝わってきたこと。また、その物。
・一家団欒(いっかだんらん) 家族全員が集まって、睦まじく楽しむ様子。
・一家を機杼す(いっかをきちょす) 独自の言説や文章などを作り出して自分の学派を立てる。 ★「機杼」は、はたを織るように文章を構成すること<国語大辞典(小)>
・一家を成す(いっかをなす)[=立てる] 1.家庭を持つ。2.学問や芸術などで権威となる。また、新しい学派や流派を立てる。 用例:十問最秘抄「諸道に一家を立つる人」 用例の出典:十問最秘抄(じゅうもんさいひしょう) 連歌書。二条良基。至徳元年(1384)。・・・調査中。
・一巻の終わり(いっかんのおわり) 1.一巻から成る物語などが終わる、ということから、ものごとが決着してしまったということ。全てが終わること。 2.既に手遅れであること。取り返しが付かない状態になること。 類:●万事休す 例:「不渡りを出して一巻の終わり」 3.死ぬこと。 例:「河豚の毒に中(あた)って一巻の終わり」
・一竿の風月(いっかんのふうげつ) 俗事を忘れ、一本の釣り竿だけを友として、釣りをしながら自然の風物を楽しむこと。のんびりとした人生を送ることの喩え。
・一喜一憂(いっきいちゆう) 喜び、また、憂えること。喜びと心配とが交互に訪れること。情況の変化につれて喜んだり心配したりすること。 例:「試合の経過に一喜一憂する」
・一貴一賎交情乃ち見わる(いっきいっせんこうじょうすなわちあらわる) 人の交情は、生死・貧富・貴賎などが変化することによって、その実体が見えてくるものである。 故事:「史記−汲黯・鄭当時列伝」「一死一生乃知交情、一貧一富乃知交態、一貴一賎交情乃見」 漢の公(てきこう)が廷尉だったとき、賓客たちは先を争ってご機嫌伺いに来たが、官を退いた途端誰も来なくなった。そのとき公が門に大書した言葉の一節。 参考:門外雀羅を設くべし
・一騎打ち(いっきうち) 1.一騎ずつ一列になって進むこと。 ★「打ち」は、鞭を打って馬を走らせること。 2.敵味方とも、一騎ずつで戦うこと。また一般に、一人対一人の勝負。 例:「保守派と急進派の一騎打ちになった」 ★「打ち」は、武器を使って戦うこと。
・一気呵成(いっきかせい) 1.一息に詩や文章を作り上げること。 例:「一気呵成の句」 2.大急ぎでものごとを成し遂げること。 例:「一気呵成に駆け上る」
・一掬の涙(いっきくのなみだ) 両の手の平で水を掬(すく)ったときのような涙という意味で、手の平で水を汲めば指の間から漏れてしまい少しも残らないところから、ほんの少しの涙。 ★また逆に、両手で掬うほどのたくさんの涙という意味を表すこともある<国語慣用句辞典(集)>
・一騎当千(いっきとうせん) 一人で千人分に値すること。また、一人で千人の敵に対抗できるほど強いこと。転じて、人並み以上の技術や経験のあること。 類:●一人当千●一人当百 用例:「太平記−5・大塔宮熊野落事」「是皆一騎当千の兵とはいへ共」 例:「一騎当千の兵(役者)」 ★「一人当千」から。古くは「いっきとうぜん」<国語大辞典(小)>
・一饋に十度立つ(いっきにとたびたつ)[=七度(ななたび)立つ] 一度食事をする間に10回(7回)も中座するということから、落ち着いて食事もできないほど熱心に政治を行なうことの喩え。 故事:「淮南子−夊論訓」など 聖王と呼ばれた夏の禹(う)王は、士を迎えるのに熱心であった。
・一簣の功(いっきのこう) 1.最後の一骨折り。完成直前の努力。 出典:「書経−旅娉」「為山九仞功虧一簣」 2.土などを一もっこ運ぶ骨折り。事業を完成させるための一つ一つの努力。
・一虚一実(いっきょいちじつ) 急に空(から)になったり満ちたりして、その変化を予測し難いこと。
・一挙一動(いっきょいちどう) 手を上げたり、体を動かしたりするという意味から、ちょっとした動作や振る舞い。
・一去一来(いっきょいちらい) あるときは去り、あるときは来て、その動向が定まらないこと。
・一驚を喫する(いっきょうをきっする) 驚かされる。
・一挙手一投足(いっきょしゅいっとうそく) 1.僅かばかり骨を折ること。少しの努力。2.細かい一つ一つの動作や行動。 類:●一挙一動
・一挙両全(いっきょりょうぜん) 一つをすることによって、二つが巧くゆくこと。
・一挙両得(いっきょりょうとく)
・一簣を以て江河を障ぐ(いっきをもってこうがをふせぐ) もっこ一杯の僅かな土で大河の水を堰き止めるという意味から、微力で戦争などを防ぐことの喩え。 出典:「漢書−何武・王嘉・師丹伝賛」「武嘉区区、以一簣障江河、用没其身」
・一口同音(いっくどうおん) 1.大勢の人が声を揃えて言う。2.大勢の人が揃って同じことを言う。 類:●異口同音