−けん(ま)(ken7)−
・剣幕(けんまく) 怒った凄まじい顔付きや振舞い。激しい態度。 類:●険相●見脈(けんみゃく) 用例:滑・八笑人−二「イヤハヤすさまじいけんまくだぞ」 ★もと、「険悪(けんあく)」の連声か<国語大辞典(小)>
・肩摩轂撃(けんまこくげき) 人の肩と肩とが擦(こす)れ合い、車の轂(こしき)同士が撃ち合うということで、人や車の行き来が激しい様子。道が混雑すること。 類:●轂撃肩摩 出典:「戦国策」
・拳万(げんまん) 約束を違(たが)えたら拳(こぶし)で万回殴るぞ、ということ。偽(いつわ)らないことを、小指を絡(から)み合わせて唱える誓言。多く、子どもの間で言われる。 類:●指切り 例:「指切り拳万嘘吐(つ)いたら針千本飲ます」 ★「拳万」は、拳骨(グー)で一万回殴るという意味。
・けんもほろろ 「けん」も「ほろろ」も雉(きじ)の声。無愛想に人の頼みや相談事を拒絶して、取りつく島もない状態。突っ慳貪(けんどん)な様子。 類:●つっけんどん 例:「けんもほろろな返答」 用例:天草本伊曾保「ケンモホロロニイイハナイテ」 ★「けん」は「けんつく」「けんどん」などの「けん」と掛けたもの<国語大辞典(小)> 用例の出典:天草本伊曾保物語(あまくさぼんいそほものがたり) イソップ物語のポルトガル語からの訳本。70話。宣教師ハビアン訳。文禄2年(1593)刊。Esopo
no Fabulas"と題して、天草のキリシタン学寮から、ローマ字綴りの口語訳で出版。 参考:天草本(あまくさぼん) 近世初期、イエズス会によって、天正一八年から慶長一九年の間に天草島で出版された活字本。「天草版」「キリシタン版」とも。「どちりなきりしたん」「平家物語」「伊曾保物語」などがある。 参考:イソップ物語(いそっぷものがたり) イソップの作と伝えられる動物寓話集。紀元前3世紀頃の成立。はじめにイソップの伝記があるが、後世の付加が多く、原作がどういうものかは全く不明。 人物:イソップ(いそっぷ) ギリシア語アイソポスの英語名。「イソップ物語」の作者とされる人物。紀元前6世紀頃のギリシアのサモス王の奴隷で、寓話を巧みに話して解放されたと伝えられる。
・見聞覚知(けんもんかくち) 仏経用語。見ることと聞くことと覚ることと知ること。見は眼識、聞は耳識、覚は鼻舌身の三識、知は意識を指し、それぞれの働きをいう。 類:●六識