−めか(meka)−
目が合う(めがあう) 1.上瞼(まぶた)と下瞼とが合うという意味で、眠ること。多く、打消しを伴って、良く眠れないことを表わす。 用例:蜻蛉−上「よる、めもあはぬままに、歎きあかしつつ」 反:■目も合わず 2.視線が合う。
・目顔で知らす(めがおでしらす) 目付きで知らせるという意味で、目配せをして意図するところを相手にそれとなく伝える。
・目顔を忍ぶ(めがおをしのぶ) 人目に付かないようにする。見付からないようにする。
・目が堅い(めがかたい) 子供などが、夜が更(ふ)けても眠くならない。
・目が利く(めがきく) 1.鑑識力が優れている。鑑定が上手である。 類:●目が高い 2.監督が行き届く。
・目が曇る(めがくもる) 判断力が鈍る。
・目が眩む(めがくらむ)・眩(ま)う 1.目が霞む。2.眩暈(めまい)がする。目がくらくらとする。 例:「吊り橋で目が眩む」 3.強い光に打たれたり、神仏の忌諱(きい)に触れたりして、一時、目が見えなくなる。4.あるものに心を奪われて、正常な判断ができなくなる。 例:「金に目が眩む」 類:●目が眩れる
・目が眩れる(めがくれる) 1.眩(まぶ)しくて、くらくらする。眩暈(めまい)がする。 類:●目が眩む 2.目が曇る。涙で目も霞むほどである。3.金品などに、心を奪われて正しい判断ができなくなる。
・目が肥える(めがこえる) 同じ種類のものをたくさん見て、その価値を見分ける力が付く。良いものを見慣れて鑑識力が増す。
・目が冴える(めがさえる) 神経が昂(たか)ぶって眠れなくなる。また、目がはっきりと覚める。
・目が覚める(めがさめる) 1.眠りから覚める。眠気が去る。2.眠気が去るような思いがする。新鮮な感じがする。目新しさに驚く。 用例:徒然草−一五「しばし旅だちたるこそ、めさむる心ちすれ」 例:「目の覚めるような美人」 3.驚き呆れる。また、興醒(ざ)めする。 用例:俳・本朝文選−四「首筋のあたりより、燕の舞ありく景気こそ、目さむる心地はせらるれ」 4.心の迷いが去って、本来の姿に立ち返る。自覚して、罪や非を悔い改める。 例:「母親に泣かれて目が覚めた」
・目賢し(めかしこし) 目聡(ざと)い。 類:●目端が利く●目早(ばや)い 用例:源平盛衰記−二二「秀郷、目(メ)かしこく見咎めて」
・目が据わる(めがすわる) じっと一点を見つめて視点が動かなくなる。酒に酔ったり怒ったりした様子を現わす。
・目が高い(めがたかい) 鑑識力が優れている。 類:●目が利く 例:「流石(さすが)お目が高い」
・目が近い(めがちかい) 近視である。
・目が付く(めがつく) 1.目が止まる。気が付いて見る。2.賽子(さいころ)賭博(とばく)で、良い目が出る。
・目が出る(めがでる) 1.値段があまりにも高くて、非常に驚くことの喩え。 類:●目の玉が飛び出る 2.振った賽子(さいころ)に良い目が出ることから、幸運が巡ってくる。
・芽が出る(めがでる)[=吹く] 1.草木の芽が萌(も)え出る。芽吹く。2.幸運が回ってくる。成功の兆しが見える。 類:●目が出る
・目が点になる(めがてんになる) 俗語。驚き呆れたときの表情。 例:「出し抜けに指名されて目が点になった」 ★語源は、福田幾太郎(さだまさしのバンド・ギタリスト)らの楽屋話から。それを芸人・笑福亭鶴瓶が気に入って広め、「流行語(1987年)」にまでなった。漫画の驚いたときを示す表現から取った言葉。
・目角が強い(めかどがつよい) 1.物を確実に見る。ものごとを見抜く。2.良く見て忘れない。細部まで見覚えている。
・目が届く(めがとどく) 注意が行き届く。監視が行き渡る。
・目が飛び出る(めがとびでる) 1.驚いて目の玉が飛び出すような感じになる。値段が驚くほど高いこと。2.激しく叱られる様子。 例:「目が飛び出るほど叱られた」 類:●目が抜け出る●目の玉が飛び出る
・目角を立てる(めかどをたてる) 鋭い目付きで見る。 類:●目に角を立てる
・目がない(めがない) 1.心を奪われて、思慮・分別をなくすほどである。我を忘れるほどそれが好きである。 例:「甘い物には目がない」 2.正しく判断したり、見極めたりする知恵がない。ものごとを的確に判断する能力がない。 例:「あいつは人を見る目がない」
・眼鏡が狂う(めがねがくるう) 物や人を見て、良否の判断を誤る。目利きに失敗する。
・眼鏡に適う(めがねにかなう) 目上の人の気に入る。認められる。 類:●お眼鏡に適う 例:「養父の眼鏡に適った」
・眼鏡を掛ける(めがねをかける) ここでの「眼鏡」は、色眼鏡と同意。「色」には、偏見・先入観という意味があることから、先入観や予断を以って物を見ること。 類:●色眼鏡で見る
・目が離せない(めがはなせない) いつも、注意、監督をしていなくてはならない。常に見守っていなければならない。 例:「台風の進路情報から目が離せない」
・目が光る(めがひかる) 監視が厳しくなる。 例:「警察の目が光っている」
・目が回る(めがまわる) 1.目が眩む。眩暈(めまい)がする。2.非常に忙しい様子の形容。 例:「忙しくて目が回る」
・目が物を言う(めがものをいう) 目付きや目配せなどで相手に気持ちを伝える。
・目から鱗が落ちる(めからうろこがおちる) 何かがきっかけとなって、急にものごとの事態が良く見え、理解できるようになる。 類:●開眼(かいがん・かいげん) 出典:「新約聖書−使徒行伝・9章」 「直ちに彼の目より鱗のごときもの落ちて見ることを得」という、キリストの奇跡により、盲目の男の目が見えるようになった記述による。
・目から鼻へ抜ける(めからはなへぬける)
・目から火が出る(めからひがでる) 顔や頭などを強く打ち付けたとき、一瞬光が交錯して見えたりすることから出来た言葉。