−みる(miru)−
・見る穴へ落ちる(みるあなにおちる) 現に穴があると見て知っているのにその穴に落ちるという意味で、知りながら失敗することの喩え。
・見る影もない(みるかげもない) 見るに堪えないほど見窄(すぼ)らしい様子である。
・見るから(みるから) 1.ちょっと見るだけで。いかにもそれらしく。一見して。 例:「見るからに強そうな武士」 2.見るとそのまま。見てすぐ。 用例:後撰−恋四「古への野中の清水見るからにさしぐむものは涙なりけり」 ★「に」を伴っても用いる<国語大辞典(小)>
・見ると聞くとは大違い(みるときくとはおおちがい)[=大きな違い] 話に聞いていたことと実際に見たこととでは大きな相違があるということ。また、聞くことと見ることでは大変な違いがあること。 ★実見してみると伝え聞いていたより劣っている時に用いることが多い<大辞林(三)>
・見る所(みるところ) 1.見る価値のあるところ。注目すべきところ。 類:●見所 2.見て思うところ。見て判断したこと。 例:「私の見る所ではカロリーが過剰です」
見るに忍びない(みるにしのびない) 他人があまりに不幸な境遇で、また酷(ひど)い状態で、じっと見ているのが辛い。あまりに気の毒で、見ていられない。 類:●目も当てられない見るに堪えない
・見るに堪えない(みるにたえない) 1.酷(ひど)くて見ていられない。見られたものではない。 例:「君の部屋の有り様といったら、見るに堪えないね」 2.あまりに可哀相で見ていられない。 類:●見るに忍びない
・見るに見兼ねる(みるにみかねる) 見ていて我慢できない。 例:「見るに見兼ねて口を出す」
・見る間に(みるまに) 見ている間に。見る見るうちに。
・見る目(みるめ) 1.物を見ている目。また、見ること。2.会うこと。会う機会。 用例:とりかへばや「見る目の難く、行きあふせあるまじき事」 3.見た様子。見た感じ。 類:●見た目●外見 用例:宇津保−藤原君「この源氏、ただ今の見る目よりも」 4.ものごとの見方。 類:●視点 例:「見る目を変える」 5.他人の、それを見る視線。また、他人の、それに対する思惑(おもわく)。 類:●傍目(はため) 例:「人の見る目を気にする」 6.ものごとの良否、優劣を見分ける力。 類:●鑑識眼 例:「見る目がない」 7.閻魔の庁にある人頭幢(にんずどう)・見目嗅鼻(みるめかぐはな)のうち、男の方。 ★和歌では海藻「海松布(みるめ)」とかけて用いることが多い<国語大辞典(小)>
・見る目嗅ぐ鼻(みるめかぐはな) 1.閻魔の庁にある男女の頭を乗せた幢(はたほこ)。男(見目)は凝視し、女(嗅鼻)は嗅ぐ相を示す。これによって、亡者(もうじゃ)の善悪を判断するといわれる。2.世間の目が煩(わずらわ)しいことの喩え。3.何でも見通すこと。また、その人。 類:●千里眼
・見る目なし(みるめなし) 1.会うことができない。会う気持ちがない。 用例:古今−623「見るめなきわが身をうらとしらねばや」 ★和歌では「海松布(みるめ)」とかけて用いられる<国語大辞典(小)> 2.見るべきほどの価値がない。見窄(すぼ)らしい。3.良否、優劣を見分ける眼力がない。
・見る目の前(みるめのまえ) 目(ま)の当たり。 類:●目前●眼前