−せん(さ)(sen3)−
・千載一遇(せんざいいちぐう) 千年にたった一度しか巡り合えないような素晴らしい状態。また、そういう機会。 類:●千載の一時 例:「千載一遇のチャンス」 出典:「文選−袁宏・三国名臣序賛」「夫万歳一期、有生之通途。千載一遇、賢智之嘉会」
・千載不磨(せんざいふま) 千年の後までも消えないこと。永遠に残ること。 類:●千載不朽●百世不磨 例:「千載不磨の大典」
・千差万別(せんさばんべつ・まんべつ) 種々様々の違いがあること。多くの差異があること。 類:●千様万様
・煎じ詰める(せんじつめる) 1.薬草などを、極度まで煎じる。成分や滋養などが出つきるまで煮つめる。2.内容をある一点に集中させる。要約する。 類:●凝縮させる●煮詰める 3.行き着くところまで考えを推し進める。考えを最後のところまで押し詰める。結論に達するまで良く考える。 用例:雑俳・大福寿覚帳「うれしさもせんじつめればなみだにて」 4.事態を行き詰まりまで推し進める。ものごとを終局まで進行させる。 用例:読・弓張月−続「煎(セン)じ詰(ツメ)たる艱難を、問慰る友もなく」 用例の出典:大福寿覚帳(だいふくじゅおぼえちょう?) ・・・調査中。
・千思万考(せんしばんこう) 一つのことに何度も何度も思案を重ね、考え付く限りの思いを巡らせ、じっくりと考えを纏(まと)めること。また、その考え。 類:●千思万慮●沈思黙考●三思九思●審念熟慮 反:■無念無想 ★「千万思考」の語順を入れ替えた言葉。
・浅酌低唱(せんしゃくていしょう) 《四熟》 酒を味わいながら程よく飲み、小声で詩歌を口ずさんで楽しむこと。また、そのような上品な酒席の喩え。 類:●浅酌低吟●浅酌微吟●浅斟低唱●低唱浅斟 反:■杯盤狼藉
・前車の覆るは後車の戒め(ぜんしゃのくつがえるはこうしゃのいましめ)
・前車の轍を踏む(ぜんしゃのてつをふむ)
・千秋の恨み(せんしゅうのうらみ)[=恨み事] 千年間もの長い間の恨みという意味で、長年、非常に残念に思っていること。また、しつこくいつまでも忘れられない恨み。
・千秋の思い(せんしゅうのおもい) 千年も待ち続けているほどの気持ちという意味から、大変に待ち遠しい思いや、待ち焦がれている気持ちをたとえていう場合に用いる。 類:●一日千秋の思い
・千秋万歳(せんしゅうばんぜい・まんざい・ばんざい) 1.千年万年。2.永久、永遠。3.また、永遠に栄えるようにと願う言葉。特に、長寿を祝うときなどに言う。 類:●千秋万古 出典:「韓非子−顕学」「今巫祝之祝、人曰、使若千秋万歳」 用例: 浄・「出世景清−門」「出の盃出さるれば、互に千秋万歳と」 ★「ばん」は「万」の、「ぜい」は「歳」の漢音<国語大辞典(小)> ★古風なことば<学研国語大辞典>
・千秋楽を歌う(せんしゅうらくをうたう) 謡曲「高砂」の終わりにある千秋楽の文句「千秋楽は民を撫で…」を歌うという意味から、祝宴などがめでたく終わること、また、ものごとが上首尾の内に終わること。 参考:高砂(たかさご) 謡曲。脇能物。各流。世阿弥。古名「相生(あいおい)」「相生松」。肥後国阿蘇の宮の神主友成が都に上る途中、高砂の浦で景色をながめていると、老人夫婦がきて高砂と住吉の二本の松を相生の松といういわれなどを語って去る。友成が住吉に行くと明神が現れ、御代を祝って神舞を舞う。祝言曲として、祝儀の席でよくうたわれる。
・千丈の堤も蟻穴より崩る(せんじょうのつつみもぎけつよりくずる・ありあなより〜)[=螻蟻(ろうぎ)の一穴(いっけつ)より〜] 千丈もある頑丈な堤も、小さな蟻や螻蛄(けら)の穴が原因で崩れる。小さな誤りや僅(わず)かな油断が元で、大事を引き起こしたり失敗したりするものだということ。 類:●千丈の堤も蟻の一穴●蟻の一穴 出典:「韓非子−喩老」「千丈之堤、以螻蟻之穴潰」
・僭上張る(せんじょうばる・せんしょうばる) 身分不相応なことをいう。また、分に過ぎたことをする。 用例:浮・商人軍配団−三「母の僭上ばりし心から」 ★「ばる」は接尾語<国語大辞典(小)> 用例の出典:商人軍配団(あきんどぐんばいうちわ) 浮世草紙。町人物。江島其磧。正徳2年(1712)。・・・詳細調査中。
・千状万態(せんじょうばんたい) 種々様々な状態。 類:●千態万状●千態万様
・善書紙筆を択ばず(ぜんしょしひつをえらばず) 文字を書くことが上手な人は、紙や筆の良否を問わない。 類:●能書筆を択ばず●弘法筆を択ばず 出典:後山談叢(ござんだんそう) 談話集。宋。陳師道撰。4巻。師道が文芸について述べたもの。
・前事を忘れざるは後事の師なり(ぜんじをわすれざるはこうじのしなり) 前にあったことを心に留めておけば、後にものごとを行なうときに良い参考となる。 出典:「史記−秦始皇本紀・賛」「野諺曰、前事之不忘、後事之師也」
・戦陣の間には詐偽を厭わず(せんじんのあいだにはさぎをいとわず) 戦(いくさ)に於いては、謀(はかりごと)を以って欺(あざむ)くことも、敢えてしなければならない。 ★舅犯(きゅうはん)が文公(重耳)に言った言葉。 ※「詐欺」は誤字。 出典:「韓非子−難篇・一」
・前人未踏(ぜんじんみとう) 《四熟》 過去に誰も到達したり足を踏み入れたりしたことがないこと。今まで誰も成し遂げたことがないこと。 類:●先人未踏 ★「前人未到」とも書く。
・泉水の小便(せんすいのしょうべん) 庭の池に小便をするとシャアシャアと音を立てることから、「池にしゃあしゃあ」→「いけしゃあしゃあ」と洒落(しゃれ)て言った言葉。非常に厚かましいこと。 類:●泉水御手水●いけ洒洒
・詮ずる所(せんずるところ) ことの筋道を明らかにして、あれこれ考えて到達したところ。つまり。要するに。結局。 用例:平家−二「せんずる所、我等が敵は西光父子に過たる者なしとて」 類:●所詮(しょせん)●詰まる所 ★多く副詞的に「結論をいえば」の意に用いる<国語大辞典(小)>
・先生と呼ばれるほどの馬鹿でなし(せんせいとよばれるほどのばかでなし) 1.代議士や教師・医者などは、「先生、先生」と呼ばれて好い気になっているが、呼んでいる方は本当に尊敬している訳ではないんだよということ。2.大人の社会というところは、ちょっとしたことですぐに人を煽(おだ)てるものだから、乗せられて得意になるものではないということ。 ★先生と呼ばれて得意になっている人を皮肉る川柳。詠み人知らず。
戦戦兢兢(せんせんきょうきょう) 恐れ慎(つつし)む様子。恐れてびくびくする様子。 類:●おっかなびっくり●戦兢(せんきょう) 例:「悪事が露顕しないかと戦々兢々として日を送る」 用例:続日本紀−神亀2年9月壬寅「戦々兢々、夕若、懼一物之失所」 出典:「詩経−小雅・小旻」「戦戦兢兢、如臨深淵、如履薄冰」 用例の出典:続日本紀(しょくにほんぎ) 平安初期の官撰国史。六国史(りっこくし)の第2番目で「日本書紀」に次ぐ。40巻。光仁天皇の命によって石川名取・淡海三船らが撰修をはじめ、藤原継縄・菅野真道らに撰進事業が継承されて、延暦16年(797)奏上された。文武元年(697)〜延暦10年(791)の95年間を編年体で記す。「続紀(しょっき)」。