−よも(yomo)−
・蓬が杣(よもぎがそま) 蓬が杣山のように茂っている所という意味から、自分の家を、庭の手入れも録にしてないとして、謙遜していう言葉。 参考:杣山(そまやま) 材木用の木が生えている山。
・蓬がもと(よもぎがもと)[=のもと] 蓬が生い茂っているところ。荒れ果てた宿。
・蓬の門(よもぎのかど)[=が門] 蓬が生い茂って荒れている門。また、瓦や萱でなく、蓬で葺(ふ)いた粗末な門。貧者や隠者の家の門。また、その家。或いは、自分の家を遜(へりくだ)って呼ぶ言葉。 類:●蓬門(ほうもん)
・蓬の髪(よもぎのかみ) 「蓬髪(ほうはつ)」の訓読み。蓬のように解(ほつ)れて乱れている髪。
・蓬の心(よもぎのこころ) 蓬が蔓延(はびこ)り茂るように、雑念や私意が心の中に生じること。また、その心。
・蓬の窓(よもぎのまど) 蓬が茂っている荒れ果てた家の窓。転じて、粗末な家。 類:●蓬窓(ほうそう)
・蓬の丸寝(よもぎのまろね) 蓬の宿で着物を着たままで寝ること。あばら家でごろ寝すること。
・蓬の宿(よもぎのやど)[=が宿] 蓬が生い茂った宿。荒れて寂しい宿。 類:●あばら屋●葎(むぐら)の宿
・世も末(よもすえ) この世もお終(しま)いである。救い難(がた)い世の中である。 例:「あんなズボンの穿き方が流行るなんて、世も末だな」 ★末法思想からの言葉。 参考:末法思想(まっぽうしそう) 仏教における一種の歴史観。釈迦の入滅後千年または千五百年、あるいは二千年後に仏法が衰え社会に混乱が起こると考えたもの。わが国では平安初期すでに現れているが、仏滅年次を周の穆王53年とし、仏滅後二千年とする考えが固定した平安中期から鎌倉期にかけて流行し、法然・親鸞・日蓮等による新仏教の基盤となった。
・夜もすがら(よもすがら) 「すがら」は、初めから終わりまで通すこと。暮れ方から夜明けまでずっと。一晩中。夜通し。 類:●終夜●夜の悉(ことごと) 反:■終日(ひねもす) 用例:土左「夜もすがら雨やまず」 対:■ひもすがら
・夜も日も明けない(よもひもあけない) その物がなければ片時も過ごすことができない。それがないと、少しの間も我慢できない。一つの物に非常に執着している様子。 例:「彼女なしには夜も日も明けない」
・四方の嵐(よものあらし) 辺(あた)りを吹き荒(すさ)ぶ嵐という意味で、転じて、浮世の波風。
・四方山(よもやま) 様々。世間のあれこれ。
・四方山話(よもやまばなし) 世間の様々な話。
・四方八方(よもやも) 四方八方(しほうはっぽう)。諸方。あちこち。 用例:釈日本紀−一八「名(な)四表八方(ヨモヤモ)に流しけり」