179.【け】 『逆鱗(げきりん)』 (2003/05/06)
『逆鱗』
1.ここでの鱗(うろこ)は竜の鱗で、竜は天子を意味する。天子や帝王が怒ること。天皇の怒り。 用例:兵範記−保元3年4月21日「竜顔逆鱗之至」
2.激しく怒ること。普通、目上の人が目下の者を怒る場合に用いる。 例:「創業者の逆鱗に触れて降格させられた」
類:●激怒
故事:「韓非子−説難」「然其喉下有逆鱗径尺、若人有嬰之者、則必殺人」<然(しか)れども其の喉下(こうか)に逆鱗(げきりん)なる径尺(けいしゃく)有り、若(も)し人之(これ)に嬰(ふ)るる者有らば、則(すなわ)ち必ず人を殺す> 竜の胸に逆さに生じた一枚の鱗(うろこ)があって、人が触れると、怒ってその人を殺すという。 
出典:韓非子(かんぴし) 叢書。20巻・55篇。紀元前2世紀末にかけて成立。韓非およびその一派の著作55編を収めたもの。編者未詳。刑名法術という、法治主義に基づく思想を展開し、秦に始まる官僚国家創建の理論的支柱となった。
用例の出典:兵範記(ひょうはんき) 『人車記』、『信範卿記』、『平信記』などとも呼ばれる平信範の日記である。「人車」とは「信範」の二字からの偏と部分を抽出して組合せ、「兵範」とは「兵部卿信範」の首尾二字を組合せての命名である。記事は天承2年(1132)から元暦元年(1184)まで、信範21歳から73歳に至るまでの記録である。<京都大学電子図書館>
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