216.【し】 『獅子身中(しんちゅう)の虫(むし)』 (2004/01/26)
『獅子身中の虫』
1.獅子の体内にいる虫が、その寄生している獅子の肉を食って、終(つい)には倒してしまうということ。
2.仏徒でありながら仏教に害を為す者のこと。転じて、味方でありながら内部から禍(わざわい)を齎(もたら)すこと。恩を受けた者に仇(あだ)で報いること。
類:●人は近親によってのみ裏切られる
出典:「梵網経−下」・「仁王経−嘱第八」 「如師子身中蟲、自食師子肉」
出典@:梵網経(ぼんもうきょう) 経典。2巻。鳩摩羅什(くまらじゅう)の漢訳と伝えられる。特に下巻は大乗菩薩戒の根本聖典で、菩薩戒としては下巻だけを用い、直接戒を説く部分は戒本とされる。
出典A:仁王般若経(にんのうはんにゃきょう) 大乗仏教の経典。2巻。後秦の鳩摩羅什訳の「仁王般若波羅蜜経」と唐の不空訳の「仁王護国般若波羅蜜多経」とがある。この経を受持することによって、災害を祓い、福を齎すと信じられ、法華経・金光明経とともに護国三部経として尊ばれた。「仁王経」。
*********
前項へ←→次項へ
目次へ戻る