301.【ち】 『朝三暮四(ちょうさんぼし)』 (2005.09.12)
『朝三暮四』
1.表面的な違いにだけとらわれて、結局は同じであることに気付かないこと。
2.詐術(さじゅつ)を以って人を騙(だま)し、愚弄(ぐろう)すること。
3.転じて、命を繋(つな)ぐだけの生計・暮らし。 用例:太平記−三八「朝三暮四の資(たすけ)に心有る人もがなと」
類:●狙公橡(とち)を賦(くば)る
故事:「荘子−内篇・斉物論」「列子−黄帝」など 狙公(そこう=猿回し)が手飼いの猿に嶌(とち)の実を与えるのに、朝三つ暮れに四つとしたところ、少ないと猿が怒ったので、朝四つ暮れに三つとしたら喜んだ。
用例の出典:太平記(たいへいき) 軍記物語。40巻。小島法師作と伝えるが不明。応安年間(1368−1375)の成立か。正中の変・元弘の変、建武中興とその挫折、新田義貞と足利尊氏との確執から南北両朝の対立、室町幕府内の軋轢(あつれき)など、文保2年(1318)から正平22年(1367)までの動乱期の様態を和漢混交文で記述する。
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