304.【ち】 『塵(ちり)も積もれば山(やま)となる』 (2005.10.03)
『塵も積もれば山となる』
ごく僅(わず)かなものでも、数多く積み重なれば高大なものになるということの喩え。小事を疎(おろそ)かにするなという戒(いまし)めの意味を込めても使う。
参照:「大智度論−九四」「譬如積微塵成山、難可得移動」
類:●九層の台は累土より起こる●積羽舟を沈む●滴り積もりて淵となる●Light gains make heavy purses.(僅かな収益が重い財布を作る)―フランシス・ベーコン<「英⇔日」対照・名言ことわざ辞典>
出典:大智度論(だいちどろん) 大品般若経(摩訶般若波羅蜜経)の注釈書。100巻。竜樹著と伝える。サンスクリット原典は現存しないが、鳩摩羅什(くまらじゅう)が、405年に、10万頌に及ぶ原典のうち初めの34巻を全訳し、残りは抄訳したという漢訳がある。空(くう)の立場に立ちながら肯定的に諸法実相を説き、大乗の菩薩道を明らかにする。引用文献が多く、解説がくわしく、仏教百科の役割を兼ねる。別称、『摩訶般若釈論』。
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