409.【ふ】 『風前(ふうぜん)の灯(とも)し火(び)』
『風前の灯し火』[=燈火]
風が吹き当たる場所に置かれた灯し火のことで、今にも消えようとするものの喩え。危険に直面し、生命が今にも絶えようとしている状態。
類:●風口の蝋燭●朝日の前の霜柱●小水の魚●虫の息
出典@:「倶舎論−疏」「寿命猶如、風前灯燭」
出典A:「法苑珠林−致敬」「命如風中灯、不知滅時節」
出典:阿毘達磨倶舎論(あびだるまくしゃろん) インドの仏教論書。世親(ヴァスバンドゥ)著。5世紀頃。「倶舎」とは容れ物の意味で、「阿毘達磨」の教理の全てがこの中に納められているという意味。サンスクリット本、チベット訳、漢訳2種が現存している。漢訳では、真諦(しんだい)訳22巻(564年)、玄奘(げんじょう)訳30巻(651年)があり、主に玄奘訳が用いられる。略して「倶舎論」とも。
出典:法苑珠林(ほうおんじゅりん) 唐の釈道世のが編纂(へんさん)した書で、120巻から成っている。これは仏教の故事古典を分類して収録したもので、仏典の訓話を知る好個の手引き書である。
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