−あお(ao)−
・青息吐息(あおいきといき) 窮地に追い込まれて、苦しみ困った時に吐く溜息。また、それが出るような追い込まれた様子。 類:●青菜に塩●蛞蝓(なめくじ)に塩●青菜を湯に浸(つ)けたよう 用例:浄・菅原伝授手習鑑「物をも得言はず青息吐息、五色の息を一時に」
・仰いで天に愧じず(あおいでてんにはじず) 自分の心に少しも疾(やま)しいところがない。 出典:「孟子−尽心・上」「仰不愧於天、俯不圉於人」
・青い鳥(あおいとり) 1.メーテルリンクの童話。2.転じて、幸福。幸福は本人の身近にあるということ。希望など。
・青男(あおおとこ) 年が若く、未熟な男。 類:●青二才
・青柿が熟柿弔う(あおがきがじゅくしとむらう)[=腐(くさ)す] 1.熟した柿が落ちたのを、まだ青い柿が弔うこと。今はまだ青い柿も、いずれ熟柿となって木から落ちる。青柿も熟柿も、然(さ)して違わない。類:●年々歳々花相似たり 2.似たり寄ったりの者が、少しばかりの優劣をとやかく言うこと。 類:●蝙蝠が燕を笑う●猿の尻笑い●目糞鼻糞を笑う
・青き眼(あおきまなこ) 気に入った人や好きな人を迎えるときの、涼しくて気持ち良い目付き。 類:●青眼 故事:「晋書−阮籍伝」 阮籍(げんせき)は、気に入らない客のことは白眼で見、気に入った客は青眼で迎えた。
・青臭い(あおくさい) 1.(どちらかというと悪い意味で)青草のような匂いがする。生々しい、嫌な匂いがすること。2.未熟である。経験が足りなくて幼稚である。 類:●小便臭い 例:「青くさい議論」
・青筋を立てる(あおすじをたてる)[=張(は)る] 顔面(こめかみなど)に静脈を浮き出させる。激しく怒ったり、興奮したりしている様子を表わす。 類:●怒髪天を衝(つ)く●顔面朱を注ぐ●怒りに声も出ず●腸(はらわた)が煮え返る
・青竹の手摺り(あおだけのてすり) 若いのに似合わず、世事に悪い方向に擦れている者。主に、女性に用いる。 類:●擦れ枯らし ★「青竹」は若い人、「手摺」は、すれている、の意から<国語大辞典(小)>
・青田買い(あおたがい) 水稲の米が実る前の青い葉のうちに、その田の収穫量を見越して先買いすることから転じて、学校の卒業が決まらないうちに、企業などが採用を決めてしまうこと。 類:●青田刈り●不見転(みずてん)買い ★「青田刈り」は、誤用から一般化しつつある。
・青田の先売り(あおたのさきうり) まだ米が実らないうちに収穫量を予想して産米を売ること。転じて、先を見越して物を売ることの喩え。
・青海苔貰うた礼に太太神楽を打つ(あおのりもろうたれいにだいだいかぐらをうつ)[=代わりに〜] 安価なものを貰って、多額な返礼をすることの喩え。 ★「青海苔」は、伊勢の名産で、伊勢参宮の土産物。「太々神楽」は、伊勢神宮に奉納する神楽。主客を逆にして、「青海苔やった礼に太々神楽」ともいう<国語大辞典(小)>
・青天井(あおてんじょう) 青空を天井に見たてていう言葉。限度がないこと。相場などが果てしなく上がる状態にも使う。 類:●露天●野天
・青菜に塩(あおなにしお)
・青二才(あおにさい) 年が若く経験に乏しい男を卑(はずか)しめていう。 類:●青男●青臭い男●嘴が黄色い ★「青」は未熟の意、「二才」は若者の意の「新背(にいせ)」の変化したものという<国語大辞典(小)>
・青は藍より出でて藍よりも青し(あおはあいよりいでてあいよりもあおし)
・青柳の眉(あおやぎのまゆ) 女性の眉を青柳の細い葉に見立てた言葉。形の良い女性の眉毛のこと。 類:●柳眉(りゅうび)
・障泥を打つ(あおりをうつ) 鐙(あぶみ)で障泥を蹴って馬を急がせる。
・煽りを食う(あおりをくう) 相手の態度や威勢に影響される。また、状況の変化や現象の影響を受ける。 類:●巻き添えを食う
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