−あか(aka)−
・赤い着物を着る(あかいきものをきる)・仕着せを〜 かつて受刑者は赤い服を着せられたことから、刑務所に服役すること。入獄すること。 ★現在では廃れてしまった言葉。
・赤い信女(あかいしんにょ) 未亡人の異称。 用例:雑俳・折句式大成「石塔の赤ひ信女がまた孕み」 ★夫に死なれた妻は他家へ嫁がないとして、戒名を受け、夫婦連名で石塔などに戒名を彫りつけ、妻のほうは朱を塗りこめておいたところからいう<国語大辞典(小)> 用例の出典:折句式大成(おりくしきたいせい?) 俳句集。・・・調査中。
・赤い手絡(あかいてがら) 新夫人。新妻(にいづま)。 ★結婚した女の、結い初めの丸髷(まるまげ)の根元などにかける赤色のきれ地から転じて<国語大辞典(小)>
・赤馬(あかうま) 1.赤毛の馬。2.地獄の、赤い馬頭人身の獄卒。3.浄瑠璃社会の隠語で、酒のこと。4.花柳界(かりゅうかい)の語で、月経のこと。5.〔隠語〕 火事、または、放火。
・赤烏帽子(あかえぼし) 赤塗りの烏帽子のこと。普通は黒塗りであることから、変わったものを好む性質、または、そのような人の喩え。 例:「亭主の好きな赤烏帽子」
・足掻きが取れない(あがきがとれない) 動作が自由にならない。講じるべき手段、方法、方策がない。 類:●二進(にっち)も三進(さっち)も行かない●動きが取れない●手も足も出ない●暗礁に乗り上げる
・赤き心(あかきこころ)・明き心 「赤」は、裸、あるがままの意味。嘘偽りのない心。真心(まごころ)。 類:●赤心(せきしん)●赤誠●丹心 出典:「後漢書―光武紀」 ★「赤心(せきしん)」を訓読した語か<大辞林(三)>
・赤子の手を捻る(あかごのてをひねる・ねじる)[=腕を〜] 1.抵抗力のない者や弱い者に暴力を振るう。2.容易(たやす)くできることの喩え。 類:●訳もない●ちょろい 例:「あいつを騙すのなんて赤子の手を捻るようなもの」
・赤子を裸にしたよう(あかごをはだかにしたよう) ひ弱で抵抗力がない。頼るところがない。
・藜の羹(あかざのあつもの) アカザを実にした汁。転じて、粗食(そしょく)のこと。
・赤字(あかじ) 赤い色の字。不足額を表わす数字を赤色で記入することから、収支決算で支出が収入より多いこと。マイナス。欠損。 反:●黒字
・証が立つ(あかしがたつ) 無実が証明される。 類:●明かりが立つ
・開かずの間(あかずのま)[=開けずの間] 普段は開けることを許されない部屋。不吉な事があって閉ざされたままになっているような部屋や使用禁止の部屋。 類:●開かずの門
・上がったり(あがったり) 商売などがまったく揮(ふる)わないで、どうしようもなくなった様子。また、ものごとが駄目になることにも使う。 類:●お手上げ ★動詞「あがる(上)」に完了の助動詞「たり」がついて一語化した語<国語大辞典(小)>
・上がったり大明神(あがったりだいみょうじん) 商売などに失敗して、他人から相手にされなくなること。 類:●お手上げ ★多く、職人などが失職したときに用いる語。
・垢で死んだ者はない(あかでしんだものはない)[=に食われても死にはせず] どんなに垢だらけになっても死にはしない。
・赤螺の壷焼き(あかにしのつぼやき) 「栄螺(さざえ)の壺焼き」と称して赤螺の肉を入れて売ることで、一般に、贋物(にせもの)のこと。
・赤螺屋吝兵衛(あかにしやけちべえ) とても吝(けち)な者のこと。しっかりと蓋(ふた)を閉じた赤螺の貝の形が、銭を握って離さない拳の形ににていることから言われた。 類:●けちんぼ●しわんぼ●吝嗇(しわい)屋吝兵衛 用例:咄・吝嗇屋「けちの事を『赤螺屋』とか『吝嗇』、『六日知らず』、『しみったれ』、『我利我利亡者』なんと言う」 用例の出典:吝嗇屋(しわいや) 古典落語。成立年不詳。けちな男がけちな大家にその極意を聞くというもの。2人の掛け合い。
・垢抜ける(あかぬける) 容姿や態度などが洗練されて素人離れすること。都会風にすっきりと洗練されること。 類:●灰汁(あく)が抜ける 例:「垢抜けた身なり」
・飽かぬ仲(あかぬなか) 一緒にいても嫌にならない間柄。親密な仲。 類:●好い仲
・赤の他人(あかのたにん) まったく縁のない他人。 類:●路傍(ろぼう)の人●無縁の人 ★「赤」は「明」と同根であり、色ではなく「明らかに」の意味を表わす。「赤裸(あかはだか)」「赤っ恥(ぱじ)」「真っ赤な嘘」なども同様に使われる。
・垢は擦るほど出る(あかはこするほどでる) → 叩けば埃が出る
・吾が仏尊し(あがほとけとうとし) 自分の尊敬する者だけを尊び、他を軽んじる。
・赤松打ち割ったよう(あかまつぶちわったよう)[=走らかしたよう] 体格ががっちりしている。また、気性がさっぱりとしている。
・赤目釣る(あかめつる)・吊る 血走った目を吊り上げるということで。 1.怒って相手を睨み付ける。2.顔を赤らめる。赤面する。
・垢も身のうち(あかもみのうち) 垢というものは元々身体の一部分だったのだから、無闇に落とすものではない。長湯の人を冷やかして言う。
・上がり(あがり) 1.出来上がり。仕上がり。 例:「器の色の上がりが良い」 2.収益。 例:「興行の上がりが少なかった」 3.終わり。ゲームなどで最初に終わって勝者になる。 例:「今夜はもうこれで上がりだ」「6が出れば上がりだ」 4.飲食店の用語で、お茶のこと。 類:●上がり花 ★遊郭では客が出入りする際にはお茶を出していた。一番最初に出すお茶のことを「お出花」、一番最後に出すお茶を「上がり花」と呼んでいた。
・上がり口が高い(あがりぐちがたかい) 家の中へ入り難い。 類:●敷居が高い
・上がりを請ける(あがりをうける) 相場で、安値の時に商品を買っておき、上がった時に売って儲けること。 反:■下がりを請ける
・明るけりゃ月夜だと思う(あかるけりゃつきよだとおもう) 外が明るければ、いつでも月が出ていると単純に思い込むように、世間知らずでものごとの考えが浅いことの喩え。深く考えない者を嘲(あざけ)って言う。 類:●団子さえ食えば彼岸だと思う●単細胞●浅はか
・垢を抜く(あかをぬく) 1.垢を落とす。2.転じて、汚名や恥辱を雪(すす)ぐ。 類:●証を立てる●垢を脱ぐ
・あかんべい・あかんべえ 指先で下瞼を下方に押さえて瞼の裏の赤い部分を出して見せる。軽蔑や拒否の気持ちを表わすしぐさ。 類:●あかすかべい●めあこう●めかこう ★「あかめ(赤目)」から。「あかんべえ」「あかんべ」とも<国語大辞典(小)>
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