−りよ(riyo)−
凌雲の志(りょううんのこころざし) 世俗を高く超越したいという願い。 1.俗世間を遥(はる)かに超越した、高尚で遠大な志。 出典:「後漢書−馮衍伝・下」「懐金垂紫、掲節奉使、不求荀得、常有凌雲之志」 2.高位高官に上って立身出世しようとする志。 類:●青雲の志
良禽は木を択ぶ(りょうきんはきをえらぶ) 賢い鳥は良い木を選んで棲(す)む。優れた人物は、仕(つか)えるべき主(あるじ)を良く選んで仕えるということ。 類:●鳥は木を択べども木は鳥を択ばず●臣も亦た君(きみ)を択ぶ 出典:「春秋左氏伝−哀公十一年」「仲尼曰《略》鳥則択木、木豈能択鳥」<木はどうして鳥を選べましょうか> 孔子が、衛(えい)の孔文子(こうぶんし)の相談を断わって言った言葉。
良禽は木を選んで棲む(りょうきんはきをえらんですむ) 賢い鳥は木を選んで巣を作る。同様に、賢い臣下は良い君主を選んで仕(つか)えるものである。 類:●良禽は木を択ぶ
了見勝ち(りょうけんがち)・料簡勝ち 忍耐強い。我慢強い。
了見尽く(りょうけんずく)・料簡尽く 1.互いに忍耐し合って穏便(おんびん)にことを運ぶこと。2.考えに任せてすること。よくよく考えた結果であること。 ★「ずく」は接尾語<国語大辞典(小)>
了見違い(りょうけんちがい) 考え方が正道を外れていること。見当外れであること。 類:●心得違い 例:「とんでもない料簡違い」
了見強い(りょうけんづよい) 忍耐強い。我慢強い。 用例:浄・夏祭浪花鑑−三「了簡(リャウケン)強(ツヨ)いわれがああした事」
了見に及ばぬ(りょうけんにおよばぬ) = 了見もない
燎原の火(りょうげんのひ) 野焼きの火は勢い良く広がることから、勢いが盛んで防ぎ止められないものごと。また、甚だしい勢いで広がってゆくこと。 類:●火の原を燎くが若し 出典:「書経−盤庚」「若火之燎于原、不可向近、其猶可撲滅」
了見深い(りょうけんぶかい) 考え深い。思慮が深い。また、思い遣りがある。慈悲深い。 用例:浄・寿の門松−中「有難い了簡ぶかいお菊様」
了見もない(りょうけんもない) 1.手の下しようがない。どうにもしようがない。2.無茶苦茶である。
了見を加える(りょうけんをくわえる) 対策を考える。手段を講ずる。
両虎相闘えば勢い倶に生きず(りょうこあいたたかえばいきおいともにいきず) 両虎が戦えば、どちらかが倒れる。二人の勇者が戦えば、必ず一方は倒れる、または、共に倒れる。
良工は人に示すに朴を以てせず(りょうこうはひとにしめすにぼくをもってせず) 名工と呼ばれる人は、未完成品を人に見せるようなことはしない。名工は、自信作しか人前に出さないものであるということ。 出典:「後漢書−馬援伝」「況曰、汝大才晩成、良工不示人以朴、且従好所」 ★「朴」は、手を加えていない素材の意味で、転じて、未完成の作品のこと。
良賈は深く蔵して虚しきが若し(りょうこはふかくぞうしてむなしきがごとし) 優れた商人は、品物を店頭には飾っておかないで奥深く仕舞っておき、見掛けは手持ちがないように見せる。賢者は学徳や才能を隠して、妄(みだ)りに表さない。孔子の言葉 出典:「史記−老子伝」「吾聞之、良賈深蔵若虚、君子盛徳、容貌若愚」
良妻賢母(りょうさいけんぼ) 夫に対してはよい妻であり、子に対しては賢い母であること。また、そのような人。
梁山泊(りょうざんぱく) 中国山東省の西部、(えん)州の東南、梁山の麓にあった沼。鉅野沢(きょやたく)ともいった。天険の地で、古来、盗賊、謀反軍の根拠地となっていたが、北宋末期に続発した反乱の一つである宋江の一味の故事が、南宋の講談の中で、この地にたてこもったとされる。 出典:「水滸伝」 2.転じて、一般に、豪傑や豪傑気どりの野心家などの集合するところをいう。 出典:水滸伝(すいこでん) 中国の通俗小説。撰者は明(みん)の羅貫中(らかんちゅう)、或いは元(げん)末の施耐菴(したいあん)等と伝えるが未詳。中国小説四大奇書の一つ。宋代の群盗宋江ら108人が山東省梁山泊に集まり、義を誓って活躍する。元代の歴史小説「宣和遺事」に基づき「宋史」にみえる宋江伝説や民間説話、雑劇などを母体として形成された白話文学。日本の江戸文学に大きな影響を与え、滝沢馬琴、岡島冠山らが翻訳した。
梁上の君子(りょうじょうのくんし)
良心の呵責(りょうしんのかしゃく) 道徳的に善悪を判断して、気が咎(とが)め、己を責め苛(さいな)むこと。
両端を持す(りょうたんをじす) 両方の端を持つということから、敵対する二つの、両方の肩を持つこと。どちらか有利な方に付こうとして決め兼ね、曖昧(あいまい)な態度で形勢を窺(うかが)うこと。 類:●首鼠両端●洞ヶ峠を決め込む●二心を持つ 出典:「史記−鄭世家」「晋聞楚之伐鄭、発兵救鄭、其来持両端、故遅、比至河、楚兵已去」
両手に花(りょうてにはな)
両天秤を掛ける(りょうてんびんをかける) どちらに傾いたとしても困らないようにするという意味から、対立する双方のどちらが有利になっても、自分は損をしないように配慮すること。主に、男女間の三角関係などに使う。 類:●両天秤●二股を掛ける ★「天秤に掛ける」というようにも使う<国語慣用句辞典(集)>
両刀遣い(りょうとうづか・つかい) 1.刀を左右の手に一本ずつ持って戦う剣法。また、その剣客。 類:●二刀遣い●二刀流 2.二芸を兼ねること。二つの相反するようなことを巧みに使い分けること。3.酒と甘いものとの両方を好むこと。4.俗語。異性と同性との両方を好むこと。
遼東の豕(りょうとうのいのこ)
両刀を使う(りょうとうをつかう) 1.二本の刀を左右両方の手にそれぞれ持って使いこなす。2.転じて、甘い菓子と辛い酒とを両方好むこと。3.俗語。異性と同性との両方を好むこと。
諒とする(りょうとする) 誠だとすること。もっともだとして承知する。善しとする。
両方聞いて下知をなせ(りょうほうきいてげじをなせ) 争いごとを裁(さば)くときは、両方の言い分をよく聞いて判決を言い渡せということ。 類:●一方聞いて下知をすな●片口聞いて公事を分くるな ★「下知(げじ・げち)」は、命令・指図(さしず)の意味で、判決言い渡しのことも言った。
良薬は口に苦し(りょうやくはくちににがし)
両雄倶には立たず(りょうゆうともにはたたず) 同時期に二人の英雄が共存するのは難しく、勢力争いの末にどちらかが亡びるものである。 類:●両雄並び立たず 出典:「史記−レキ[麗+おおざと]生伝」「且両雄不倶立、楚漢、久相持不決」
涼を納る(りょうをいる)[=取る] 涼む。涼しい風に当たる。 類:●納涼する
慮外者(りょがいもの) 不埒な者。無礼者。不躾(ぶしつけ)者。 類:●案外者
緑林(りょくりん) 1.青々とした林。緑の林。2.盗賊たちが立て篭もる場所の喩え。また、盗賊の異称。 故事:「漢書−王伝・下」「後漢書−劉玄伝」 緑林山は、中国の湖北省当陽県の山の名。前漢の末、王莽(おうもう)の時、王匡・王鳳らが窮民を率いてこの山に立て篭もり、征討軍に抗して強盗を働いたとある。