−てん(な)(ten5)−
・天に仰ぎ地に伏す(てんにあおぎちにふす)[=憧(あこが)れ〜] 悲嘆(ひたん)に暮(く)れたり、懇願(こんがん)したりして、身悶(もだ)えをする様子。
天にあらば比翼の鳥、地にあらば連理の枝(てんにあらばひよくのとり、ちにあらばれんりのえだ) 夫婦が深く愛し合い、互いに離れ難い間柄であること。 類:●比翼の鳥連理の枝 出典:「長恨歌」 出典:長恨歌(ちょうごんか) 中国の詩編。長編叙事詩。七言古詩120行。唐の白居易(楽天)。806年。玄宗皇帝が楊貴妃への愛に溺れて政を怠り、安禄山の乱を引き起こし、貴妃を失った深い悲しみを詠った詩。陳鴻の「長恨歌伝」を付したものがある。後代や日本文学への影響が大きい。
・天に偽りなし(てんにいつわりなし) 天道は厳正である。
・天に口あり地に耳あり(てんにくちありちにみみあり) 秘密や悪事は兎角(とかく)漏れ易いものである。
・天に口なし人を以って言わしむ(てんにくちなしひとをもっていわしむ・にんをもって〜) 天はものを言わないけれども、人の口を通して天意が告げられるものである。
・天に順う者は存し、天に逆う者は亡ぶ(てんにしたがうものはそんし、てんにさからうものはほろぶ・さかうものは〜)[=従う者は〜] 天の道理に従う者は存続し、背(そむ)く者は滅亡する。 出典:「孟子−離婁・上」
・天に跼まり地に蹐す(てんにせくぐまりちにぬきあしす) 高い天の下にも背を丸め、堅い地の上もそっと抜き足で歩くという意味。世の中を恐れて小さくなって生きていること。肩身が狭く、隠れるように行動すること。 類:●跼天蹐地(きょくてんせきち) 出典:「詩経−小雅・正月」
・天に唾す(てんにつばきす)
・天に二日無し(てんににじつなし) 天に太陽が二つあるはずがないのと同様に、一国に二人の君主があるはずがないということ。 出典:「礼記−曾子問・坊記・喪服四制」「天無二日土無二王」
・天に二つの日なし、土に二王なし(てんにふたつのひなし、どににおうなし) 太陽が一つであるように、一国に二人の君主が並立してはならない。
・天二物を与えず(てんにぶつをあたえず)[=下(くだ)さず] 天は一人の人間にそういくつもの長所や美点を与えはしない。 類:●天は二物を与えず
・天に召される(てんにめされる) キリスト教で、死ぬこと。
・天にも地にもない(てんにもちにもない)[=掛け替えない] 唯一であって他にないこと。非常に珍重すること。寵愛すること。
・天にも昇る心地(てんにものぼるここち)[=上がる〜] 非常に嬉しくて、浮き浮きする気持ちの喩え。
・天の与うるを取らざれば却ってその咎めを受く(てんのあたうるをとらざればかえってそのとがめをうく) 天の与えて呉れるものは、予(あらかじ)め取るべく定められたものであるから、取らないと却って禍(わざわ)いを招くことになる。 出典:「史記−淮陰侯伝」
・天の与え(てんのあたえ)[=賜(たまもの)] 天が与えてくれるもの。 類:●天授●天与●天恵
・天の網(てんのあみ) 1.悪事をした報いはとうてい逃れることができないということ。 類:●天の耳●天網 出典:「老子−七三章」「天網恢恢疎而不失」 2.鳥を捕えるために空中に張る霞網。
・天王山(てんのうざん) 1.京都府南部、大山崎町にある山の名前。京都盆地と大阪平野とを結ぶ狭隘部にあり、古来、水陸交通の要地。2.勝敗や運命の重大な分かれ目。 類:●関ヶ原 例:「今日の試合が今シーズンの天王山になる」 ★天正10年(1582)羽柴秀吉と明智光秀とが山崎で戦ったとき、天王山の占有が勝敗を左右したところから言われる。
・点の打ち所(てんのうちどころ) 非難すべき所、という意味で、特に人や物を非難するときの対象となる箇所のこと。一般には、「点の打ち所がない」のように、後に打消しの語を伴って使うことが多い。 類:●非の打ち所
・天の濃漿(てんのこんず・こんずい) 天から与えられた美味な飲みもの。普通、上等の酒、また、単に酒を指して使う。 類:●甘露
・天の時は地の利に如かず、地の利は人の和に如かず(てんのときはちのりにしかず、ちのりはひとのわにしかず) 天が与えて呉れる好機は地理的有利さに及ばず、地理的有利さは人心の一致に敵(かな)わない。事をなすには人の和が第一であるということ。 出典:「孟子−公孫丑・下」
・天の作せるはなお避くべし、自ら作せるは逃るべからず(てんのなせるわざわいはなおさくべし、みずからなせるわざわいはのがるべからず) 天災や地変は避ける方法があるけれども、自分が招いた災いは逃れる術がない。 出典:「書経−太甲・中」
・天の配剤(てんのはいざい) 天が行なう薬の調合という意味。天は、善には善果、悪には天罰をというように、それぞれに適(かな)ったものをほどよく配するということ。
・天の美禄(てんのびろく) 天からの好い授かり物という意味で、酒のこと。 出典:「漢書−食貨志・下」
・天の眼(てんのまなこ) 天が行なう人の善悪や正邪の監視。 類:●天の目
・天の目(てんのめ) 1.天が行なう人の善悪や正邪の監視。 類:●天の眼 2.太陽のこと。また、星のこととも。
・天の暦数(てんのれきすう) 天命を受けて帝王の位を継(つ)ぐ順序。